青空侍のシネマ徒然日記

映画や音楽について、徒然なるままに・・・

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
anatahe1.jpg 現在の日本に映画俳優・女優と言える人がどれだけいるでしょうか。ましてや、映画スターともなれば、高倉健と吉永小百合の二人以外に思い浮かびません。それほど、日本映画におけるこの二人の存在は突出しており、絶対的なものであるように思います。

 また、日本中の人から(素人玄人問わず)「~さん」と敬愛の情をもって呼ばれる役者も「健さん」以外に思い浮かびません。「寅さん」がいるじゃないかという意見もありますが、あれは役名であって、渥美清本人をさすものではありません。
 かつては映画スターを「勝新」「裕次郎」「錦之助」「旭」「文太」などと親しみを込めて呼び捨てにしていたと思いますが、「~さん」付けされる人はほかに思い浮かびません。よく似たものとしては市川雷蔵の「雷様」くらいでしょうか。少し違いますが・・・。
 こういうとこからも、高倉健という役者が、日本において特別な存在であったのだということが伺えると思います。

 私の死んだ父も、健さんが好きでした。「ぼそぼそ話して、何言っているのかよくわからない・・・。」などと文句をつけながら、健さんの映画を観るか?と誘って断られた記憶がありません。映画を観たあと、やはり何か文句を言っているのですが、なぜかとても嬉しそうでした。そして、最後に「やっぱり健さんじゃなぁ・・・。」と一人納得している始末。そんな父の姿を見て、「健さんは特別なんだ」と思いながら育ち、いつしか私にとっても特別な存在になっていったように思います。

 実は、「寅さん」もそうなんですよね。寅さんも特別な存在です。映画のキャラクターを超えた存在として、私や私と共に生きてきた人々の中では親戚や家族に似た存在としてずっと身近なところで生き続けていました。だから、やっぱり「~さん」がつくのかなぁ。
 でも、寅さんと健さんは全く違います。当然ですが(笑)。
 寅さんは、年に1度か2度会って、お互いの無事を確かめ合い喜び合う・・・。そして、「あぁ、まぁこうして今年も寅さんに会えたからよしとするか」「それにしてもやっぱり寅さんは寅さんだなぁ」などと、日々のあれこれを笑いながら洗い流してくれる・・・、日常をリセットしてくれるありがたい存在であったように思います。

 健さんは違いますね。たまに無性に会いたくなるんです。そして、確かめたくなる。

 健さんは、私たち日本人の、特に日本の“男たちの基本”なのではないでしょうか。

 人それぞれに理想的な男性像があると思います。それは、先ほど例に挙げた「勝新」「裕次郎」「錦之助」「旭」「文太」などが演じたキャラクターたちであったり、スポーツ選手を始め様々な分野で活躍した人たちの中に自らの理想像を見出して自分自身に重ね合わせてきたように思います。
 でも、そうした理想像に共通している日本男児の最も基本的な部分を演じてきたのが、高倉健という役者であったのではないでしょうか。だから、私たちは「健さん」の映画を観て確かめるのです。そして、やっぱりこうなんだ・・・と確認して、次の一歩を歩み始めるのだと思います。

 小田剛一(健さんの本名)が、どのような人物であるかは分かりません。
 しかし、高倉健として、“男たちの基本”を演じ続けてくれている健さん。
 そういう存在であり続けるために決して私生活を公にしない健さん。
 80歳を越えてなお、“男たちの基本”であり続けることができる健さん。

 高倉健という役者と、同じ時代を生きていられることの幸せを感謝しないではいられません。

「あなたへ」

 この作品でも、高倉健は見事に“健さん”を演じてくれていました。

 物語も演出も他の役者の演技も映像も音楽も、その全ては健さんが“健さん”であるためのものであったように思います。
 だから、申し分ありません。素晴らしかったと思います。
 しっかりと“男たちの基本”を確認いたしました。また明日から自信を持って歩んで行けそうな気がします。

 “健さん”なき日本映画界など想像できません。
 しかし、この映画の公開にあたって、TVのバラエティー番組にゲスト出演するとかNHKの密着取材に応じるとか、これまでにない動きを見せていることが、少し気がかりです。
 高倉健での幕引きを意識してのことでなければ良いのですが・・・。

クリックをお願いします。
にほんブログ村 映画ブログへ   
スポンサーサイト












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://kiosk770.blog4.fc2.com/tb.php/388-b5a5aebd

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。