青空侍のシネマ徒然日記

映画や音楽について、徒然なるままに・・・

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aruitemo4.jpg  『ぐるりのこと。』の感想に「一組の夫婦が歩んできた日々を炙り出すかのように描いた・・・」と書いたのですが、『歩いても 歩いても』は「ある家族の1日を、さっとすくい取った」とでも表現すればよいのでしょうか、まるでその場に居合わせて、その家族の日常を楽しく眺めているような錯覚に陥りました。

 この2作品に共通しているのは、決して美化することなく人間を描いているということと、その描き方があくまでも日本的であることだと思います。日常生活の中にある喜怒哀楽を、誇張することも矮小化することもなく、ありのままに描こうとする姿勢。その潔さと覚悟に、我々は心打たれるわけです。だって、なかなか出来ませんよ。何気ない日常の中で繰り返される些細な出来事を通して、普遍的な愛の物語を作るなんて。ドラマチックな展開を排除して、ドラマを作る。これは相当に練り込まれた台本、隙のない演出、計算を感じさせない完璧に計算された演技などがそろって初めて可能になる、まさに力業であると思います。

 そしてこの2作品の相違点は、『ぐるりのこと。』がより意図的に人間を描こうとし『歩いても 歩いても』の方はもう少し引いたところから描こうとしているところだと思います。だから、前者は炙り出しているという印象になるのですが、後者は透けて見えるような印象になるのだと思います。

 この作品で特筆すべきは、やはり樹木希林の演技ですね。彼女の放つ言葉の深さ。これは相当に考えられたセリフであると思うのですが、彼女だからこそその言葉が生きてくる。本当にドキッとします。そして、思わず笑ってしまいます。人生って本当に可笑しくて哀しいものなんだなぁとつくづく感じ入ってしまいます。

 「歩いても 歩いても」なるほど、そこから来てるのか・・・。(笑)

 他の役者もそれぞれに素晴らしい。みんながそこに生きています。映画を見ているなんてこと、忘れてしまいますよ。演技してないんだもの、この人達。(笑)

 この映画を見て1週間、意図的に感想をまとめるのを避けていました。それは、この作品が私の中にどうのように入ってくるかを確かめたかったからです。入ってきますねぇ・・・ジワッと。そしてどんどん広がっています。いい映画なんですよ。間違いなく。

 この作品でまた、是枝監督は私の中で今一番信頼できる監督であることを確認できました。

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