青空侍のシネマ徒然日記

映画や音楽について、徒然なるままに・・・

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kirin1.jpg 東野圭吾×阿部寛 シリーズ最高傑作ということで観てきました。
 面白かったし、なるほどと感心させられたし、役者もみんな期待通りに頑張っていたし、特に突っ込みどころもないんだけど、この作品をして最高傑作というのはいかがなものかと思いました。無難にまとめた・・・みたいな感じでした。
 ミステリーをあまり好んでみない私としては、2転3転して最後になるほどという展開は新鮮なのですが、「スティング」や「ユージュアル・サスペクツ」を観た時のようにエーッと叫びそうになるほどの驚きも、「半落ち」を観た時のような魂を揺さぶられるほどの感動もありませんでした。だから、最高傑作とは認められません。

 でも、129分間、しっかり作品の世界に引き込まれ、十分に楽しませてもらえたので、☆4つつけたいと思います。
 ただ、この映画に関しては田中麗奈の役はいらなかったように思います。大好きな女優さんなのですが、彼女の登場場面が全体の流れに竿を刺してしまっているように感じられました。存在感のある女優だけに、あのような使われ方でも全体に影響を及ぼすのだなと思います。
 それともう一つ。新垣結衣はとても可能性を持ったスケールの大きな女優だと思うのですが、使われ方が偏っているというか、いつ観ても眉間にしわを寄せて・・・、観ていてつらくなる時があります。もったいないなぁと思う次第です。
 溝端淳平・・・頑張れ!
 期待していただけに少し残念な部分もありましたが、面白い映画だとは誰に対しても自信を持って言うことができる作品です。あとは、好みの問題ということで。
 原作は読んでいません。これから読もうかどうしようかと思案中です。読めば評価も少し変わるかな。

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always641.jpg シリーズ3作目。

 大ヒットした過去2作を、私は全く評価していませんでした。

 ヒットする理由はわかるのですが、こうした映画がもてはやされることに違和感と危機感を覚えたものです。

 平成になって十数年、バブル崩壊後の混乱と不安の中、自信を失いつつあった私たちが昭和を懐かしく振り返られる過去としてとらえ始めていたタイミングで、VFX技術を駆使してかつての街並みを再現した「ALWAYS 三丁目の夕日」が発表され、多くの人々が郷愁にかられたのは当然のことのように思われます。
 特に第1作の昭和33年という時代設定がよかったのでしょうね。戦後の復興期から「もはや戦後ではない」と自信を取り戻しつつあった昭和30年代前半の日本の情景には、現在の私たちがとうの昔に無くしてしまった未来に向かっての夢や希望が満ち溢れていたように思います。そのシンボルが東京タワーであり、皇太子ご成婚であり、東京オリンピックであったのではないでしょうか。また、テレビ・冷蔵庫・洗濯機が(いわゆる『三種の神器』)が普及し始めたころの興奮に満ちたエピソードは、どこの家庭や街々にも共有できる思い出であり、何かしら勇気と元気とぬくもりを与えてくれる魔法の話題であると思います。
 だから、映画製作技術の進化によって当時の様子をこれでもかというほど見事に、またサービスたっぷりに蘇らせたこの作品がヒットしないわけがないというものです。まさに「待ってました!」とばかりに受け入れられるのは必然というべきものです。

 私たちはこれまでも過去を美しくコーティングして振り返ってきました。「懐かしのメロディー」「TV探偵団」「あの人はいま」等々。そして、昔は良かったなぁと何故か穏やかな表情を浮かべて、しばしの間の現実逃避・・・。それで、ちょっと元気を取り戻すのでしょうね。だから、それはそれでいいんだと思います。

 でも、前2作を私は素直に受け入れることができなかった・・・。

 なんか、薄っぺらな感じがしたんですよねぇ。映画というよりも見世物ような感じがして・・・。もう一つ肝心の物語に共感できなかったんです。「過去が振り返りたいのなら、当時の映画を見ればいい。」なんて考えてもいました。それに、「こんな、きれいにコーティングされて何が懐かしいだ!昔はもっと汚かったし、臭かった・・・。」なんて。作り物の過去に、何とも違和感がぬぐえなかったわけです。

 しかし、今回はあまりそうしたことが気になりませんでした。この映画の景色に慣れてきたせいもあるとは思うのですが、物語がしっかりとしていたからかもしれません。
 堀北真希が演じる「ろくちゃん」の恋と須賀健太が演じる「淳之介」の成長を通して、鈴木家と茶川家を取り巻く人間模様が丁寧に描かれていました。おなじみの出演者もそれぞれに役者として充実しているのでしょうね、みんなのびのびとそれぞれの役を演じ切っていました。特に、須賀健太や小清水一揮の二人が好青年に成長していたことが、身内の子たちの成長のようにうれしく感じたのは、やはりシリーズ作品の良い所でしょうか。そういえば、主演の吉岡秀隆も「男はつらいよ!」シリーズで私たちに成長の様子を楽しませてくれていました。この映画、いよいよ“寅さん”のように国民的な映画になっていくのでしょうか。
 
 そして、特筆すべきは堀北真希ですね。彼女が演じる「ろくちゃん」は、素朴で純情で可憐で頑張り屋という、あの頃を知っている私たちの世代が思い描く理想的な女の子だと思うのです。その役を、見事に演じきっている。これは、できそうでなかなかできることではないと思います。彼女あっての「ALWAYS 三丁目の夕日」ではないでしょうか。

 他に、森山未來はやっぱり素晴らしいです。彼がスクリーンに出てくると、グッと締まるように思います。決して男前じゃないのにこれほどの魅力を持っているのはなぜか?役者としての“何か大切なもの”を彼は持っているのでしょうね。

 今回は、なぜか素直に泣けて笑えました。私の気持ちが弱っていたのか(笑)、映画の完成度が高かったのか・・・、きっと後者だと思います。唯に懐かしさを売りにするのではなく、日本人としての大切なものを思い出させてくれた今回の物語に、私は共感できました。これなら、次作を期待してしまいます。素直に(笑)。

 さて、次作は「万国博覧会」でしょうか?

 もしそうであるならば、名作「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」との勝負ですね。

 期待したいと思います。

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bottle2.jpg カリフォルニアワインの歴史に、このような楽しいエピソードがあったとは。
 何事につけ気位の高いフランス人の鼻をへし折ったアメリカの田舎者たちの奮闘には、拍手喝采です。また、このような対決を企画したスティーヴン・スパリエという当時34歳のイギリス人にも最大限の賛辞を送りたいと思います。
 
 今でこそワインは私たち日本人にとっても身近な飲み物となり、スーパーマーケットに行くと世界中のワインを安価で手に入れることができるようになりましたが、私の少年時代にワインを飲むおしゃれな日本人なんて、少なくとも私の家の近所にはいませんでした(笑)。それが今や日本各地のワイナリーで作られるワインも充実し、日本の食卓にも違和感なくワインボトルが置かれる時代になっています。

 そのきっかけを作ったのが、この映画の題材になった「パリ・テイスティング事件」であるようです。

 フランス国内はもちろん世界中で世界1と考えられていたフランス・ワインが、これまでまともに相手にもしていなかったカリフォルニア・ワインに完敗したという衝撃的な事実。これは、もはや世界的な事件であったと思います。
 その後、ワインに対する見方が変化し、世界中のワイナリーが活気づいたことは想像に難くありません。結果、現在のように本当においしいワインをみんなが楽しめる時代になっていったのです。
 スティーヴン・スパリエの功績は、我々庶民にとってはノーベル賞ものです(笑)。

 1970年代のアメリカの雰囲気も心地よく、のんびりと、ちょっとワクワクしながら観ることができるこの作品は、カリフォルニア・ワインのように口当たりのが良くて後味抜群の映画でした。

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paperbird2.jpg スペインと言えば、サッカー、バルセロナオリンピック、パエリヤ、サグラダ・ファミリア・・・それに、闘牛ですか。。こんなことしか思い浮かびません。明るく、熱狂的なお国柄といったところが、ざっくりとした感想でしょうか。
 この映画を観た機会にちょっと確かめてみて、驚いたことがあります。それは、内戦を経て1939年から1975年までの実に36年間にもわたって独裁政権下にあったということです。その間の状況など詳しいことはよく分かりませんが、私が高校生になるころになってようやく民主化したという事実に、驚きとともに違和感を感じてしまったわけです。
 特に近年のサッカー大国であるスペインのイメージからは、およそかけ離れた印象を持ちます。ただ、多民族国家でバスク独立運動などがあるということや、それゆえにサッカーのエル・クラシコ(レアルマドリードvsFCバルセロナ)の試合が異常に盛り上がるということなどを聞いたことがあります。

 あまり予備知識なしに観たこの作品ですが、それでも十分に心を打つ素晴らしい作品でした。内戦から独裁政権時代に突入した頃の物語ですが、芸人たちの視点からその時代が見事に切り取られ描かれています。
 芸人というのは、古今東西、いつの時代も社会の底辺に置かれていたのでしょうね。(今もそうであるとは思いません。また、そうでないことを願います。)それゆえに最も時代に翻弄されてきた人たちであったように思います。そして、時代を読み取り、批判し、抵抗しながらも利用されてきた・・・。時代を描くには格好の素材なのかもしれません。これまでにもたくさんの名作が作られています。

 このような映画を観ると、私たちの今の暮らしが多くの犠牲の上に立っているということを感じないではいられません。民主化され、ある程度の生活がほぼ保障されている現在の日本に住んでいると、幸福の意味を見失いそうになるときがありますが、世の中は少しずつ良い方向に進んでいるのではと思う時があります。
 現在、世界中の多くの国では言論が保証され、自由な往来が可能であり、自由に経済活動ができています。男女問わず選挙権を持ち、自分たちの意志で国の方向性を選択することも一応できる体制にはなっています。
 いやいや、世界をもっと見給え。いったいどれほどの人間が今もなお理不尽な死を強いられていると思っているんだ。これで本当に良い方向にいっているといえるのかというご意見もあろうとは思いますが、今から50年前、100年前と比べてみると、それでもやはり前進していると思うわけです。
 そして、これまでの時代の流れの延長線上として、今はまだ独裁等によって奪われている人々の人権も、いつか必ず保障される時代が来ると信じたいのです。

 40年ほど前のスペインであったのであろうこの物語は、私たちに決して過ちを繰り返してはならないという教訓と、いつか未来は拓かれるというのだという希望を与えてくれます。このような作品を世界中の様々な国が制作し、それぞれの国の過去と現在を確かめ合えることができれば、私たちのこれから進むべき未来が見えてくるように思います。

 作品中に描かれる素晴らしい芸の数々。時代を超えて愛されてきた芸人たちの生きざまを愛情たっぷりに描いているこの作品は、観る者の心を解きほぐし、深い感動に導いてくれます。特にラスト10分は、涙なくして観ることができませんでした。

 多くの人に観て頂きたい作品です。

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santa3.jpg サンタクロースはどのようにしてサンタクロースになったのか。今まで知らなかった心温まる物語がそこにはあったということを知ることができました。
 フィンランドの北極圏・ラップランドで撮影されたこの作品は、上映時間も80分ほどというこじんまりとした作品ですが、時代背景やその土地の雰囲気が十分に伝わり、サンタクロースを誕生する経緯が他にはない説得力をもって描かれているように思えました。

 サンタクロース誕生秘話には聖ニコラウスの有名なお話がありますが、私にはこの作品の方がすんなりと受け入れられました。ヨーロッパ各地に色々なお話があって今の形にまとめられたのでしょうか。いずれにせよ現在のクリスマスは、特に日本でのそれは本来のものとはかけ離れたものになっているように思うのですが・・・。

 とても美しく、わかりやすく、心温まる物語なので、ぜひ子供たちに観てもらいたい作品ですね。

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itimaino1.jpg

 生きるか死ぬかはクジ次第・・・。一兵士にとって、一人の国民にとっての戦争とは、いかに不条理なものであったのか。
 お国のためだからと、赤紙が届くと出征するしかなかった時代。兵士になったとたんに、シラミにまみれて掃除もしなくてはなりません。どこに行くのかもしれずに暗闇の海に船出しなくてはなりません。撃たれることが分かっていても突撃しなくてはなりません。それがどんな意味を持っているのか考えることも許されなかった時代・・・。「そうするしかないからそうしていた」のでしょうね。
 兵士ばかりが戦争をしているわけではありません。”万歳!万歳!”と見送って、ほんの数ヶ月で白木の箱を受け取る年寄りや女、子供。持っていき場のない怒りや悲しみを、みんなグッと飲み込んでいたのでしょうか。「自分ばかりではないのだから」と諦め、慰めて埋め合わせることができる程の喪失感ではないと思うのですが。
 NHKのTVドラマ「坂の上の雲」では、たくさんの兵士が命を落とすシーンが描かれていました。参謀たちにとって兵士はコマであり数であり、決して自分と同じ人間なのだという認識は捨て去られているようでした。一人一人の人生、それぞれに家族がいて、それぞれの事情があり、思いや願いがあるなどということを考えていたら、作戦など立てることはできません。たとえ味方の兵士の大半を失うことがあっても、この戦いに勝たなくては何の未来もないのだという見地から突撃を命じる。命令が出たら「そうするしかないから」兵士は突撃するわけですね。異議を唱えたり逆らったところで、「そうする」以上の結果は期待できないのですから。
 結局、ひとたび戦争が始まると、兵士になろうがなるまいが個人の存在は否定され、何分の1の存在としてクジ運に任せるしかないということです。そして、その結果がどんなものであろうとも引き受けるしかないのですね。

 「二度と戦争をしてはいけない。」

 こんな当たり前のことを、私たちはちゃんと語ることができるでしょうか。

 戦争を実感をもって語ることができる世代の人が高齢になった今、私たち”戦争を知らない大人たち”はどうすればよいのか。”何にも知らない子供たち”に、責任を持ってこの国の未来をバトンタッチするために今すべきことは何なのか。
 私たちがしっかりしていないから、98歳になった今も新藤監督が”反戦映画”を自ら作らなくてはならないのではないでしょうか。もっと伝えておかないと、私たちにはまだ任せられないと。

 いつまでも”戦争を知らない子供たち”などと歌っているわけにはいきません。

 この映画を観てもう一つ感じたことは、人間のしたたかさですね。
 人は簡単に死んでしまう弱い存在けれど、なかなか死なない強さも持っている。さすがは新藤監督。この悲劇的な物語をカラリと描いて、人間が本来持っている生き物としてのしたたかさを見せてくれます。これは、戦後の復興を体現してきた世代からの我々へのメッセージのように思いました。

 最後にキャスティングについて。
 大竹しのぶが素晴らしい演技を見せているのですが、どうもこの役には合わないという声がちらほらと聞こえてきます。そこで、誰ならもっと良いだろうかと考えてみました。木村多江なんかどうでしょうか。他に浮かびません・・・。

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kawanosoko2.jpg 恐るべし、満島ひかり。

 「中の下」を演じさせたら日本一です(笑)。

 どうすればこのような”とても日常的でありながらどこまでも非日常的な”日常が描けるのでしょうか。作者の生い立ちを調べたくなります。

 人間、開き直った時に本当の力が発揮されるようです。そして、心が解放され、周囲と共鳴する・・・。その姿は美しくもあり滑稽でもあり。映画とは、そうした人間の姿を描くものなのではないでしょうか。そして、それをどのようなフィルターを通して描くかなんですよね、監督の作業というのは。

 石井裕也監督のフィルター、とっても気に入りました。ちょっと歪んで見えるところがたまらなく面白いです。

 そして、やっぱり満島ひかり。

 この若さにしてこの剥き出し感。

 今後追っかけたい女優№1ですね。

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englishuman2.jpg 心あたたまる物語。いや、実話でした。

 それぞれの事情を抱え、バラバラになった心を一つにまとめるのは、決して譲ることのできない誇りを共有することでしょうか。

 今の日本だからこそ、観るに値する作品なのかもしれませんね。

 丘を山にするという一見無謀とも思われる試みが、今の私たちには必要なのではないでしょうか。そうして取り戻すべき誇りが、私たちにもあると思うのです。

 是非、観てください。大切なことを思い出させてくれます。

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yougasi3.jpg
 蒼井優と江口洋介を担ぎ出し、洋菓子店を舞台にちょっぴり切なくて可愛らしい作品を作れば、みんなが喜ぶと思っているのでしょうか。

 このように安易な企画で、平凡な演出、新鮮味のないキャスティングの映画は、勘弁して頂きたいのですが・・・。と思いつつ、蒼井優見たさに観てしまう哀しさ(苦笑)

 この残念な感じ、「神様のカルテ」を観た時と同じ・・・。やはり、同じ監督でした。

 深川栄洋監督の作品では「狼少女」が好きなんですけど、なんか毒気が抜けてしまったようで。コンスタントに作品を発表するためには仕方ないのでしょうか。

 蒼井優には、このような作品には出て欲しくありませんね。もっと作品を選ばないと。これまでのイメージを打ち破るのか、もっと蒼井優化するのか。いずれにせよ、誰でもできそうなこんな役は避けた方がよいと思います。無駄に擦り切れてしまいそうで心配です。

 江口洋介は、やはりテレビの人なんですね。

 江口のりこは、映画の人です。健在ぶりに安心しました。

 TVで出来るものはTVで作りましょう。

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kiseki2.jpg まえだまえだをこの映画に起用した時点で、是枝監督の一本勝ちですね。

 この2人が喋ると、どんなセリフも一瞬にして完成された漫才のように私たちの心惹きつけてしまいます。鹿児島の景色も福岡の景色も、熊本の景色だって、この2人の繰り出す関西弁をなんの抵抗もなく受け入れているように感じられました。そして、ただ関西弁が面白いというのではなく、この2人の背負っている”生活”の匂いを見事に表現しているようにも思われました。そこに是枝監督の凄さと、まえだまえだの天才(本人たちが意識している以上の)を感じさせるのです。

 かつて”トゥナイト”という漫才コンビがいました。なるみとしずか。この2人もまたしゃべくりの天才でした。彼女たちの喋りには景色があったように思います。だからでしょうか、犬童監督が2人を主役にして「二人が喋ってる。」という映画を撮っています。なぜかこの作品を思い出しました。

 素晴らしい脇役に恵まれ、子どもたちが生き生きと演技をしています。是枝監督は、子どもを描くのが上手ですね。演出しないことが最高の演出法なのでしょうか。突き放したようなカメラワークが、生々しい子供たちの生を引き出しています。
 彼らの信じる”奇跡”は、純粋であるがゆえにゴツゴツと角張っています。そして、どこか哀しい・・・。精一杯生きるのは、案外哀しいことなのかなぁ。
 
 それに比べて大人たちはどこかのんきです。いろいろあって、もう純粋じゃいられないから適当に丸くなっているのでしょうか。でも、年をとってもやっぱりどこかで”奇跡”を信じているんですよね。そうじゃないと生きていられないから・・・。

 さて、私は何を叫びましょうか。

 やっぱり、チョッピリ哀しい叫びになってしまうのかなぁ。

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