青空侍のシネマ徒然日記

映画や音楽について、徒然なるままに・・・

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 ふるさとは遠きにありて思ふもの
 そして悲しくうたふもの

 故郷をどのような思いで振り返ることができるか

 それは、その人の人生をはかるひとつの尺度になり得るかもしれません。

 この物語に登場する3人の少女。
 それぞれの状況の中で、それぞれの思いを持って、四国の田舎町で大人になっていきます。彼女たちの境遇は決して恵まれているとは言えません。社会の矛盾が凝縮されたような形で人々の暮らしに影を落としているように思います。そんな中で、どうすれば幸せになれるのか・・・彼女たちなりに考えているようです。

 厳しい状況を積極的に受け入れ、その社会に自分を適合させようとする生き方。
 現状を否定し、”ここではないどこか”での幸せを求める生き方。

 少女たちの選択は、三者三様です。
 町を出て都会を目指す子。この町での生活の安定を手に入れようと努力する子。そして、無軌道な生活に自分を見失う子。
 その選択を誰も責めることはできないと思います。そうせざるを得ない厳しい現実が、彼女たちの背後にはずっとあるのだから。
 結局、幸せは何処にあるのでしょうか?

 少女時代を描いた場面では、何度も胸を締めつけられるように思いました。明るくけなげな姿の中に見える悲しみや怒り。楽しい場面でも、何故か切なくなってしまいます。

 一方、深津絵里が登場する現実の場面になると、やや焦点がぼやけてしまいます。もう少し彼女の人物像が丁寧に描かれていれば、もっと深い部分で感動できたのではないかと残念です。※深津絵里の演技は相変わらず素晴らしいのですが。

 気楽な気持ちで見始めたのですが、いつの間にかじんわりと重いメッセージが伝わり、私の心の奥深いところに小さなひっかき傷を作ってくれました。この傷は、しばらくはヒリヒリと痛むことと思います。

 私にとっての故郷は・・・。

 いい映画だと思います。

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rakka2.jpg これぞ映画!といった作品ですね。
 とにかく映像が圧倒的に素晴らしい。澄み切った画面に美しい色がちりばめられ、万華鏡を見ているような面白さがあります。世界遺産なども舞台にしたロケーションで、CGに頼ることなく本物で勝負したことが、この映画の最大の魅力だと思います。今回は残念ながらDVDでの鑑賞だったのですが、大スクリーンで見ると数倍楽しめたのではないかと思いました。
 音楽もいいですね。観客の感情を巧みにコントロールして、映画全体を盛り上げています。ベートーベンですか。映像にピッタリでした。
 そして、衣装。この映画のもう一つの主役とも言えるのではないでしょうか。次々に現れる個性的な人物を、見事に演出していました。この映画、衣装が平凡だと成立しなかったでしょうね。石岡瑛子の仕事ですか。素晴らしいの一言です。
 
 ターセム監督の作品は初めて見るのですが、映像で勝負したい監督なのでしょうか。であるとするならば、この映画はそれなりに成功していると思います。近年、これほどまでに美しい映像の作品を、私はあまり知りません。だからとても楽しめたし、映像に酔うこともできました。
 しかし、映画として総合的に考えたときに、物語が平凡だったように思います。鑑賞中、映像と音楽という部分での映画的な興奮を覚えつつ、何となく物足りなさを感じていたのは、物語が面白くないんですよね。どこかで見たことがあるような・・・。どの登場人物にも感情移入できないので、これでは観た後に何にも残りません。これだけの演出力がある監督なんだから、台本さえもっと良ければと、とても残念でした。

 映画好きなら、観て後悔しないとは思いますが、一言言いたくなる作品でしょうね。私は、大きなスクリーンでもう一度観たいと思いました。

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