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青空侍のシネマ徒然日記

映画や音楽について、徒然なるままに・・・

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 チャウシェスク政権下のルーマニアの様子を垣間見ることが出来たという意味では、面白かったかなと思います。でも、ひとつの物語として観たとき、果たしてパルムドールを獲るほどの何かがあるかといえば、???となってしまいます。
 当時のルーマニアでは妊娠中絶は非合法であったようです。(今はどうなんでしょうか?)だから、相当無茶な形での中絶が闇で行われていたようです。そうした時代の闇の部分を描こうとしているのかというと、どうもそうではなくて、あくまでそうした時代に生きた女性達の、いわば青春映画だと思います。そのように考えると、特筆すべき目新しいものはなかったかなと思うわけです。
 ただ、ワンシーンワンカットで淡々と描いていく演出は、主人公の生理的な部分までもスクリーンに焼き付られたみたいで、中絶とそれにまつわるさまざまな出来事の中で揺れ動く女性の心理がじわりじわりと伝わってきました。日常生活の出来事は、それが死につながる事であったとしても、案外淡々としているものですよね。だから、こういう演出の邦画グッと迫ってくるものがあると思います。

 それなりに見応えがある映画でした。でも、期待が大きかっただけに、「これがパルムドールか・・・」と考えてしまいました。

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 今年の元旦の夜は、「男はつらいよ」にしようと思いました。

 いやぁ、やっぱり面白いなぁ。やはり傑作です。さすが山田洋次。さすが渥美清です。

 「男はつらいよ」シリーズは、毎年、お正月とお盆に観に行っていました。当時、こういう人はたくさんいたでしょうね。この映画を観て、「今年もいい年でありますように。」とか、「あっ、お墓参りに行かなくては。」なんて考えた人がどれ程いたことか。そして、「あぁ、日本人で良かったなぁ・・・。」なんて。

 ところで、寅さんはいつから日本を代表する善人になってしまったのでしょうね。本来の寅さんは、この作品で描かれたようにあくまでもアウトローであり、近所のおかしなオジサンであり、身内にとっては困った奴なんですよ。だから、TVシリーズでは死んでしまった。山田監督としては、そうするしかなかったんです。
 それがいつの間にやら国民的なヒーローになってしまった。そして、挙げ句の果てには物わかりのいいオジサンになってしまったというわけです。これは、時代がそれを求めたとしか説明のしようがないと思うのですが・・・。

 でも、困ったことに山田監督まで変わってしまった・・・。

 この作品で見られるような反骨精神はどこへやら、いつの間にか説教臭いだけの教条主義者になってしまったように思います。かつて彼のことを尊敬し、目標としていただけにとても残念でなりません。

 ともあれ、この頃の寅さんは素晴らしい。これぞ、日本映画の基本中の基本。

 山田洋次監督の復活を、心から祈ります。

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